カタログにも載ってない?4WDのポテンシャル新型ノア(2022)試乗・高さ測って走ってみて気持ちはプチデリカ?かも
1ページからの続き、4WDのトルクコントロールについては、カタログやウェブ上に載ってないモノがあります。
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メーター内のトルクコントロール表示
試乗したのは新型ノアのガソリン4WDのS-Gなので、メーター内のインフォメーションディスプレイ表示は4.2インチの小さなものしか載ってこないタイプです。
スピードメーターとタコメーターの間のTFT液晶のサイズは4.2インチの車両でした。
マルチインフォメーションディスプレイはまあまあ液晶は鮮やかで、車両のステータスがイロイロ表示される、とカタログに載っているのですが、4WDに関連する機能・表示については載っていないですね。
そう、駆動配分・トルクコントロールについての表示が出来るのです。
オンデマンド型・スタンバイ型の四駆と言われたりしますが、後述しますがけっこうこのトルクメーター見てるとリアもトルクかかってたりします。
これからきっと開発秘話であったり、冬あたりのテコ入れとかでミニバンの4WDの割には頑張った装備だとPRされるのでしょうが、今の所大きく取り上げているメディアは無いですよね。
ダイナミックトルクコントロール4WDの解説
新型ノア・ヴォクシーのダイナミックトルクコントロール4WDシステム(電子制御スタンバイ4WD)と、さりげなくRAV4(グレードによる)やヤリスクロス、ハリアー4WDとも共通のものです。
システムについては新型ノア・ヴォクシーの説明書に記載してあります。
ただし、SUVという形でないし、最低地上高もそこまで高いわけでもない、後述する通りバンパーの高さもそこまで余裕があるわけではないので、本格オフロード走行を出来るわけではないです。
ノアとヴォクシーに採用されるシステムは電子制御により、前輪駆動(FF)と4輪駆動を自動で切り替える4WDシステムが採用されており、直線走行などの通常走行時は、前輪駆動(FF)に近い状態で、発進・加速時や滑りやすい路面は四輪駆動に切り替わり、車両の状態に合った最適な駆動力を4輪に配分。
旋回時には車速、舵角などの情報を用いてドライバーの意図する走行軌跡を予測、走行状態に応じて駆動力配分、その割合はフロント100:リヤ0~フロント50:リヤ50 の間で自動的にトルク分配します。
前後のトルクコントロールは行われるものの、左右輪の回転制御までは行わないもの、そういった高機能のものはRAVのグレードにダイナミックトルクベクタリング4WDとして設定されています。さすがにそこまで高機能の4WDではないものの、世代的には十分に新しく、ハリアーと共通の4WDシステムとちょっと高性能風でもありますね。
ちょっとマニアックになると、ダイナミックトルクコントロール4WDでは、FF状態でもプロペラシャフトは回り続けることとなり、そこで損失が生まれるなど惜しい部分もるのですが、それでも新型ノア・ヴォクシーの燃費は4WDでも14.3km/Lです。FFの15.0km/Lからの悪化は最低限に抑えていると言えそうです。
マルチインフォメーション・4WDのシステムに付いては、MZRA95W:ノアの4WDの形式の取扱説明書にも載っています。
積極的に後輪につながる
滑りやすい状況だけでなく、ドライ路面でも発進時には目盛り1~2つはリアにトルク配分され姿勢変化を穏やかにしている感じ、上り坂のようにフロントの荷重が抜けるような状況ではリアに3~4目盛りのトルク配分がなされるなど、積極的にリアを動かすようなイメージ。
コーナリングの途中でアクセルを踏み増した時にもリアへの配分がグッと増えてリアのトラクションを発生、コーナーでの安定感にも貢献してくれています。決して曲がる4輪駆動というほどはないけど、トルク配分にはメリットが少しはあると言えるかもしれません。
4WD、良く走るのよ。4WDは重心が高くなったものの、乗り味の向上に一役買っていますね。
地上高の数値
あまり公開されていないフロントリップの地上高、測定したものを公開しておきましょう。
最近は数値的なものを後出しで小出しでネタ切れにならないように公開するとか、不都合な数値は公称値を明言しないとか、たまにあります。
ステップ高の数値もユニバーサルステップ抜きでのリアルは気になる所で、参照される方もいらっしゃいますね。
フロントリップについては、今回の試乗車はS-Gの4WDだったもので、微妙にエアロボディ。
その気になる地面からの高さは…
バンパーセンターで250mm 測定誤差はあるかもしれませんが、メジャーで測ったらそれくらいの数値です。
S-GやS-Zのエアロボディではサイドにかけて低くなっていて、220mm ですね。
3センチサイドの方が低くなるしっかりとしたエアロボディです。
真ん中が25センチ、サイドが22センチ、コレは4WDの数値。
FFモデルだとこれよりも3センチくらい低くなるそうです。
FFだと真ん中で22センチ、サイドで20センチ位になるそうです。
ノアのZやGなどのエアロでは無いグレード(ヴォクシーはエアログレードしか無い)のバンパー形状であれば、フロント周りのクリアランスも確保されるのでは無いか?と営業さん談。ちなみに正確に補修部品の金額を弾いたわけではないものの、バンパー損傷時の補修費用はエアロボディよりもノーマルボディの方がコストが低いらしい。メッキパーツ部分の補修も交換も割高に成りがちだし、雪道を走る機会が多くなるのであれば、非エアロでしょう、と。
車体の姿勢としては、微妙に前下がりなのかもしれませんが、おおよその数値的にはそれくらい、とおぼえておいてほしいところです。
ちなみに、最低地上高はまた別の数値で、フロア下のアンダーカーバーとされていて
フロントから下回りを覗き込むと…
フロントのアンダーカバー、コレはFFモデルとも共通で、4WD化でここの数値が低くなる方に変化しているとは思えない所。
リア側を除くと…
地上高は低くなり、腹を擦って走るようにも思いますが、デフケースなどの金属カバーですから、ズタボロにはなりにくそうだとは思います。
フロントのバンパー下が22~25センチの高さを確保しているので、デリカほどの本格オフロードミニバンとまではいかずとも、それなりに走れるポテンシャルを持っていると言えそうです。
今後の発展系のヒントはホンダアクセス?
4WDはダイナミックトルクコントロールシステムでよく走る。実績だってRAV4やハリアーであるし、エンジンは実は共通だし。
2022年1月の発売日と同時にリリースされたメーカー純正追加エアロとしては、王道とも言えるオラオラ系モデリスタがメイン、どちらかと言うと下げ系で、エアロを付けるとバンパー高さが3センチ位は下がる感じです。
今後の特別仕様車もギラギラ系の煌・W×B などのエアロ系が主流となりそうではあるのですが、4WDをベースに若干のアウトドア系にも仕立てられそうだなってのがあります。
そのヒントはホンダアクセスのデリカ風のドレスアップ:スポーツミックスとかにありそうだなぁとも思います。
デリカD5のアクティブギア的にドレスアップしてもイケそうです。
バンパー形状を削ぎ落としてフォグを色つけて囲んでサイドにカラーラインを走らせてデリカっぽいテイストも面白そう。唯一無二のオフロードミニバンというゾーンを取りに行くのは難しいかもしれませんが、割とプチデリカ的に行けるようにも感じます。
RAV4くらいのオフロードイメージを借りるくらいの感じで、アドヴェンチャーグレードとかあっても良いかもしれません。
まとめ
走らせてみて、目線の高さで見晴らしの良さは手に入るし、重心の高さは感じるけど不安定ではない、4WDの総合的な制御でハンドリングや姿勢変化も違和感がないレベル、地上高は高くないものの、使えそうなクルマです。
雪道への適正の高さでは他にも多くの車種があるでしょう。しかし、トータルでの安さ300万円台として、大きさ、積載性などでウィンタースポーツへ活用できそうだと思います。
ただし、インテリアには高級感は期待できないというのと、
ナビはモノによって5年の賞味期限付きなどもあります。
完成度の高さがあって納期も長いし、ライバルとしてステップワゴンの登場もあります。善き車選びを!
さてさて、2024年も新型車や人気車で引き続き納期遅延が慢性化している中での難しいクルマ選び・乗り換えの年となっていますね。
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