V9ボバー&ロマー試乗記① 縦置きエンジンのプチハーレーみたいな!?言い過ぎ?

Moto guzziというマニアックなモーターサイクルメーカーに乗ってまいりました。モト・グッツィ(モトグッチ?)Moto Guzzi はイタリアのメーカーですが、ドゥカティやMVアグスタのようなスポーツバイクメインのブランドとは違い、割とノスタルジックでクラシックなバイクがメインでラインナップを構成していたりします。ちなみにピアジオグループでヴェスパやアプリリアなども同じメーカーのグループに属することになりますね。


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試乗したのはV9 BOBBER ボバーと、その兄弟車であるV9 ROAMER ローマーというBike。

レトロ風味のカフェレーサー風のノスタルジックモーターサイクルかと思いきや、クルーザー的でもハイテクモデルでもあって中々味の濃いい面白いバイクでした。

V9ボバーが敢えての前後16インチのファットタイヤで決めたモデル。スズキのバンバンを大きくしたような足周りの感じでボリューム感があります。前後ともTW200のリアタイヤくらいの感じをイメージして貰えれば。タンクや各種の樹脂カバーパーツなどをマット調に仕上げてビビットなカラーリングのデカールを施して強い個性を主張しているタイプです。


V9ローマーはフロント19インチのホイールにリアが16インチの組合せでアメリカンっぽい成り立ち。メッキパーツ大目でシートのボリュームをボバーに比べて増し、クルーザースタイルを狙ったバイクとして仕上げられています。



まずはV9ボバーの試乗インプレから

Vツインエンジンを縦に置き、プロペラシャフトでリアを回す独特のレイアウト。排気量は850㏄となっていて、立派なビッグツインエンジンですが、バランサーはなくかなり荒々しい振動を伝えるタイプで個人的にはハーレー883を連想しました。ハーレーのストリート750の方が大人しく感じであろうくらいはメカニカルノイズや振動があります。排気音も結構ドロドロろして低音も響き、『あ、これはアメリカン(日本的に言うと)なんだ』と感じるでしょう。世界的なくくりで言うと、クルーザーと言うカテゴリーになりますが、ハーレー的な音と振動にまみれるものと、ディアベルやVMAX、X-4のようなマッチョだけどパワフルで馬力性能的には荒々しくてもエンジンはスムースなタイプとに分かれると思いますが、間違いなく前車ですね。



停車時に足を真下に下す足つきに関しては良いと思います。ですが、エンジンの張り出しが膝の前にあり、足の長さやポジションの取り方によっては結構当たって邪魔に感じるかもしれません。ステップの位置をやや後方に変更するなどのカスタムを施す必要のある体型の方もそれなりに居ると思います。手足の収まりは要チェックなバイクです。ステップ変更はおよそ3~5万円くらいで出来るようです。


排気量は850㏄ありますが、55馬力ほどと、さほどパワフルではないかもしれません。しかし思いの外軽量な214㎏の車体で気軽に乗れる感じのバイクであります。
フロント16インチのファットタイヤの影響で少しコーナリングや低速での身のこなしがやや重く感じる部分もありますが、安定感とテイストと捉えても良いレベルだと思います。神経質で扱いにくい感じではありませんので、軽快感は薄いのに身軽に気軽に乗れるという、矛盾をひっくるめての魅力を持っているバイクかもしれません。
排気音は結構響きます。これ改造車?ってバイクを知らない人にはきっと言われるレベル。ご近所さんにも気を遣った方がいいレベルかも。大排気量の4気筒でももちろんそれなりに音量はありますが、Vツインで聴かせるタイプのエンジンとマフラーゆえに、免疫のない人には一回り音量大きく聞こえる部類なのではないかと。試乗というか、エンジン音を聞くのは必須だと思います。

安全装備に関してはABSにトラクションコントロールがついていて、ハイテクで転倒しにくいバイクになっている感じです。USBポートがあったりスマホと連携したり、実はハイテクな一面を持っています。使いこなすユーザーはどれほどいるかは疑問ですが、面白い傾向だと思います。ちなみにタコメーターはついていないのですが、スマホ連携で回転数が表示できるようになるなど、ノスタルジックな外観でありながら、中々やります。

縦置きエンジンの宿命というか、アクセルをひねると車体が右に傾く方に動きます。エンジンの回転軸に力が加わり車体が動くこれをトルクリアクションというようで、BMWのフラットツインなどでもみられる動きです。BMWに関しては世代が新しいモデルほどそういったクセは少なくって来ている感じですが、モトグッツィのVツインはかなり顕著に出ます。これは要試乗で確認してほしいところ。


ついでに言えばシャフトドライブもアクセルオンでトルクリアクションが起こり、リアのタイヤやシートが持ち上がる方向に動きます。普通のチェーンやベルトドライブのバイクだと沈み込むように作用するので、反対の動きをします。これもシャフトドライブを採用するBMWにも起こり得るのですが、BMWのそれはリンクやレバーによって緩和してます。これまたV9ボバーでは顕著にそういったアクションが出るので、慣れが必要になる感じです。

更にはクラッチのクセ がありますね。
ミッションに乾式単板クラッチが内蔵されているようなんですが、結構つながり方がハードです。

決してクラッチレバー自体は重くはないと思いますが、つながった時に 『カッ!』 とショックと音があると思います。古いBMWのボクサーツインに乗ったことがあれば、あぁ 懐かしい、と思うかもしれませんが、初乗りだと結構ビックリするかも。半クラは余り当ててはいけないタイプで、つなぐときはスパッといってやりましょう。ジャダーとかビビリがあるわけではありませんが、たぶん、近くを走っている車やバイクに聞こえるくらい、ガコン とか カッ! とメカニカルな音がします。クラッチを握る手にフィードバックは来て扱いにくいわけではないですが、癖と言えばクセ、操ってる感が充実する物くらいに思いましょう。



BMWは独特のエンジンのそういった動きを独特のメカニズムで排除して普通のバイクに近づけようとしているに対し、Motoguzziはそれを味として押し出している感じです。

アイドリング音の力感や、振動など、ハーレーダビッドソン的なものをイメージする理由はその強い個性の一端にあり、クルーザー的なstyleと共に比較するのはドゥカティやBMWのスクランブラ―モデルよりもHarley-Davidsonなんじゃないかと感じたバイクでした。


試乗記②に続きます。 更新しました!!

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