2021年NC750X新型 進化した反面当初のコンセプト的に退化もした?

2021年にモデルチェンジしたNC750X、全面的な進化ではありますが、実は、当初のNC700の時のコンセプトに対してはやや背くモノとなってしまった、ような気がします。


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初代登場から9年あまり、残念ながらモデルチェンジやマイナーチェンジの度に新車価格が上がってしまい、今回のモデルではNC750Xが92万4000円、NC750X DCTが99万円となっています。

「100万円だけは絶対に超えてはならない」 というテーマはあったそうで、そこは絶対に死守しなければならない一線だったようです。

初代の ニューミッドコンセプト という、高くなり過ぎた大型バイクを身近にという高尚な思想のもとにNCシリーズは誕生し、最初期のモデルでは65万円程度(ミッション車でABSなし)でした。新車価格が高騰していた250㏄のビッグスクーターよりも安い?と話題になったものです。

750へのモデルチェンジ、ローダウン仕様、ETC付きの仕様、DCT(Dual Clutch Transmission)仕様にトラクションコントロールの追加など、徐々に80万円台が主流になり、今回でギリギリ99万円(DCT)と言ったところ。バイクABS義務化の流れもありABSは標準、今回のモデルではETCやグリップヒーターも標準とし、とりあえずType  LDのようなローダウン仕様はなし、となっています。

当初の価格的な面でのカウンターカルチャー的な主流への反抗心が有りましたが、売れる主流となって値段としては退化かな、と。

2016年式のNC750DCT・スーパーカブ750という愛称は誉め言葉でしょう

ただまぁ、伸び悩む2輪の販売台数に対してどんどん厳しくなる排ガス規制や騒音規制に対して限られたリソースで対応する、となると価格への転嫁はある程度仕方がない所。価格の上昇分に合わせてハードの面での進化を示し、価値として釣り合いが取れているか気になるところ。

スペックなどの情報をもとに解説していきたいと思います。

外観はグッとモダンになり、ヘッドライト、フロントシュラウド、サイドのカウルやボディパネルは上質感を感じさせるものに。

凛としたたたずまいは750㏄の100万円近いモデルに相応しいです。

クチバシも主張し過ぎずボディのデザインに溶け込み、フットステップ周りのボディパネルと共にエッジの効いたスタイルで、スタイリッシュです。

旧モデルもそうですが、ハンドル周りや配線の取り回し、目につくところの樹脂パネルなど一部コストダウンを感じる部分もありそう。

メットインのスペースは23リットルに拡大(初代は21リットル)され、実用性も向上、ETC2.0の車載機はメットインにスペースを確保し収まり良くインストールされています。

ココのところにさりげなくETC車載器があります

メーターは上位車種でも採用のある液晶式の物。

多機能なメーターと言うだけでなく、走りの方の機能で良くなった部分だとドライブモードの切り替えができるようになっているのも今回のモデルチェンジのポイント。

スポーティに高回転キープして峠などでエンブレブンブン効かせてアクセルのオンオフメリハリ効かせて走ったり、雨などで路面が悪い時には出力を絞りトラクションコントロールの介入を早めて安全マージンを多めに取るなど、バイク側の制御のグレードは上がっています。

輸入高級バイクで採用されている機構を100万円を切る価格の大型バイクで実現してきた感じです。

排気量はそのままに馬力的には58馬力にアップ、6~7キロの軽量化、燃費はカタログ燃費的には定地燃費値では43㎞/L・WMTCモード値では28.6となっていて、だいたい30㎞/Lくらい走る性能は維持されています。

目を引くスペックではないけど、信頼性も高く低燃費

ギヤ比をいじっての燃費性能向上を狙うというのをNCシリーズはモデルチェンジ・マイナーチェンジの度に行っており、今回は1~4足ギアをクロス気味に回転の落ち込み少なく次のギヤにつなぎ、5速は国道の流れに乗るギヤとし、6速は高速道路用のギヤのようなイメージで実走行時の加速と燃費の両立を狙ってきている感じです。

多くの人が求める街中や峠ではキビキビ走り、高速巡行はスムースに、ということへの2021年版の アンサー がそういうミッションになっているとのこと。

純正オプションは高めです。

ハイスクリーン¥24,200

パニアケース左右¥137,500

50Lトップケース¥60,500

ツーリング性能を上げるオプションも引き続きラインナップされていますが、全部装着すると20万越え、車体価格の2割に相当するのでちょっと躊躇しそうです。PUIG(プーチ)のスクリーンやGIVIなどのサードパーティ製のトップケースでお安くカスタムするくらいに抑えた方が良いかもしれません。

DCTモデルでは100万円に届こうというところですが、装備やメカニズムなどを考えると750㏄のロングツーリング適性モデルという事も踏まえてコスパは高いという価値は維持しているものと言えそう。個人的にはDCTモデルが好みです。

維持費を安く、燃費良く遠くまで、クラッチ要らずの安楽バイク、スーパーカブ750という価値は、そこに上級装備を備えて磨き上げられています。

旧型モデルの750X 試乗インプレも参考にどうぞ

NC750X 2016年モデルDCT これはカブ750なのか?

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