10歳児童が運転する自転車と乗用車の衝突事故で、過失割合は自転車が100%悪になった珍しい判決
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保護者に賠償リスク
青信号で交差点を徐行して通過中(ほぼ停止レベルで警戒して進んでいた)、赤信号を無視した10歳児の自転車が飛び出してきて、車と衝突、児童にケガはなく、自転車とクルマが損傷する物損事故となった事案です。
クルマ側が児童側に修理費用を求めて提訴し、大阪簡裁は「本件事故の原因は児童にある」との判断を示し、児童側の過失を認定、100対0で自転車が悪いと判断したという、珍しい事件となりました。
自転車側が傷んでも、子供用と仮定すれば1~3万円が多いでしょう。
片や自動車に於いては自転車がぶつかっただけでも十万から数十万の修理費にもなり得ます。
過失割合や考え方も争点ですが、クルマを直して欲しいと思うのはドライバーの心情です。
弁護士特約を使ったかは分かりませんが、裁判に持っていくには大事な自動車保険の特約:弁特も覚えておきましょう。
ちなみに、児童側は不服として上告している模様。そんなに高い修理代なのか、意地になっているのか、児童側の弁護士が前例を作らないようにしているのか、色んな思惑が交錯しているのかもしれません。
ドライブレコーダーの映像
ドライブレコーダーの映像が裁判で有効な証拠と認められ、児童の運転する自転車が赤信号を無視し車に突っ込んだと判定したと思われます。
自転車は歩道上を徐行せずに走行し、児童は前方の信号が赤であることを確認しなかった、とあるのですが、まぁ、実際のところは赤信号とわかっていても突っ込んだ可能性も否定できない。(ワザとではないかもしれないが)
事故に於いて、ドラレコは大事ですね。
道路交通法上は「車」
自転車は、道路交通法上は「軽車両」となっていて、細分類されて自転車と区分されます。
そして、自転車の中には大きさや構造に応じて「普通自転車」とされています。一般に使用されている自転車で、車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で他の車両をけん引していないものをいいます。車体の大きさ
長さ 190センチメートル以内
幅 60センチメートル以内
ブレーキを備えるなどの要件があります。
普通自転車であれば例外的に歩道の通行が可能となっています。
交通弱者救済と親の教育と
「弱者救済の論理」「弱者保護の理論」というのは聞いたことがあるでしょうか。
いわゆる、自動車>バイク>自転車>人のように、事故が発生したときの被害が圧倒的に大きい方の過失を減殺し、車などより大きく重い乗り物(運動エネルギーが大きく加害した際に大きな被害を与える側の乗り物)の方により高い注意義務を課しているというのがあります。
自転車とクルマのような今回のケースでは、本来は自転車側に多少有利に、過失割合の調整=減少が起きそうでもあったのですが、実際の判例では個別に判断され、今回のようにドラレコの証拠などを含めて100:0判断がなされています。
信号の表示に従い横断を控えると期待するはずの被告に、注意義務を課すことはできない、つまり、赤信号を無視してまで進行してくる自転車を注意して回避する程の義務は、ドライバーに課す事はできない、(ほぼ)止まっていてぶつかられたので有れば、自転車側が弁償しなさいとなったのです。
免許制度のない自転車では、利用者への周知の機会が少ないため、親御さんによる交通教育が重要になってきます。
『自転車は交通弱者だからクルマにぶつかっても保護される』なんて教えてはダメです。損害賠償は親御さんの負担にもなるので要注意です。
「赤信号を無視した」ことは、「悪い」としっかりと教育することも大事で、放置すればいずれ自転車で誰かを轢いて取り返しのつかないことになったり、または自転車側が命を落とすことにもなりかねないと、この裁判が交通教育のキッカケの一つともなればとも思いますね。
多くの地域では自転車保険の義務化も進んでいるので、この機会に見直しておきましょう。
ドライバーの方も安全運転に努め、自動車保険に弁護士特約などチェックですね。ドライブレコーダーも自衛のために必要かもしれません。
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