なぜ自動車評論家は信用できないのか?メーカーの結託忖度と出禁の歴史を読み解く
自動車評論家(モータージャーナリスト)が「信用できない」理由
自動車評論家を使用できない理由は、業界のビジネス構造や評価基準のズレに有り。
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自動車メーカーが広告主であるためメディアの運営費や評論家の原稿料などはメーカーの広告費から出ています。広報車をあてがわれたり、開発者のインタビューなど行われ、寄稿時点では決定的な欠点や致命的な批判は書きにくい環境があり、良いことしか書かれないのが通常です。
そして、その意に反して過激な批判や辛口レビューに対して、自動車メーカーが広報車の貸出停止や取材拒否(いわゆる出禁)を行うなどの措置もあり、より信頼を損なうことにもなっています。

逆に、メーカーが主体的に、なんなら社長が自ら広報するようなケースも出て来ていますね。
個人発信のブログやYoutubeなどに土俵を変えつつある自動車評論家もおりますが、結局は広報として立ち回っており、信じ切ってはいけません。
それでも真実を伝えようとする自動車評論家は過去に存在しており、メーカーとの対立などのエピソードもあったりします。
いずれの過去の遺産とも言える事案も自動車メディアや往年の自動車ファンの間では有名なエピソードになるでしょうか?
国産メーカーと自動車評論家対立の具体例
トヨタ:『間違いだらけのクルマ選び』と徳大寺有恒 氏 (あだ名特産)
日本の自動車評論において最も有名な「出禁」の歴史は、自動車評論家の徳大寺有恒 氏とトヨタ自動車の確執です。
- 背景:1976年に始まったベストセラー書籍『間違いだらけのクルマ選び』にて、徳大寺氏は当時圧倒的なシェアを誇っていたトヨタ車(コロナやカローラなど)の「走りの質の低さ」や「商業主義的なクルマ作り」を容赦なく酷評しました。
- 措置:これに激怒したトヨタは、徳大寺氏への広報車の貸出を一切停止しました。
- その後:徳大寺氏は、知人からトヨタの新車を借りたり、自費で購入したりして執筆を続けました。のちにトヨタのクルマ作りが欧州基準を意識したものへ進化し、徳大寺氏もそれを高く評価するようになると、1990年代後半には和解し、再び公式に広報車が貸し出されるようになったと言われています。
元契約ドライバーという深い因縁と、大ベストセラー『間違いだらけのクルマ選び』における辛口批判、そして晩年のトヨタへの警鐘という複雑な関係があります。
メーカーの意向を忖度しない独自の批評スタイルは、販売台数やコスト優先の車づくりを進めていた当時のトヨタをはじめとする国内メーカーに大きな衝撃を与えました。
日産・ホンダなど:『新車情報』と三本和彦 氏
テレビ神奈川(tvk)で放送されていた伝説的な番組『新車情報』の司会、三本和彦 氏もメーカーと何度も衝突しました。
- 背景:三本氏は番組内で、メーカーの広報担当者を横に座らせたまま「このトランクの段差は何だ」「なぜこんなに後方視界が悪いのか」「不親切な設計だ」と容赦なく指摘。さらに恒例の「山坂道(箱根ターンパイク)テスト」で、メーカーの公称値通りの性能が出ないことを暴くこともありました。
- 措置:特定の車種をあまりに酷評された日産やホンダ、あるいは一部の輸入車インポーターが、一時的に[『新車情報』への新型車の貸出や、開発者の番組派遣を拒否・ボイコット]する事態が何度も発生しました。
- その後:番組は視聴者から絶大な支持を得ていたため、メーカー側も「出禁にし続けると、逆に『やましいことがある』と勘違いされる」というリスクを恐れ、最終的には折れて車を出すのがお決まりのパターンでした。
車内のスイッチの配置、視界の悪さなどドライバーがシートに着座した時の視点を大事にし、時にデザインやギミックばかりを重視したこんなクルマは「乗る人のことを考えていない」と一喝するようなケースも在ったかしら。
現在はTVK系自動車場組として、岡崎五郎氏による「クルマで行こう」がYoutubeなどでも配信されており、そちらは随分とマイルドな空気感ですね。
海外メーカー・EVメーカーの具体例
テスラ:英『Top Gear』へのブチギレと訴訟
新興EVメーカーのテスラ(イーロン・マスク 氏)と、イギリスBBCの世界的自動車番組『Top Gear(トップギア)』との対立は、出禁どころか「裁判」にまで発展した有名な事例です。
- 背景:2008年、司会者のジェレミー・クラークソン氏が初代「テスラ・ロードスター」をレビューした際、「55マイル(約88km)でバッテリーが切れた」「ブレーキが故障した」と放送し、スタッフが車を押してガレージに入れる演出をしました。
- 措置:テスラ側は「演出は意図的な捏造であり、イメージを著しく損なわれた」として、広報活動の拒否だけでなく、BBCを相手取って名誉毀損で訴訟を起こしました(最終的にテスラ側の訴えは英国の裁判所で退けられています)。
- その後:イーロン・マスク氏はその後も同番組やクラークソン氏を激しく非難し続け、長年にわたりテスラ車を同番組のレビューから締め出しました。 現在は普通にテスラ車のレビューも再開されていますね。
欧州高級車ブランド(フェラーリなど)の厳しいメディアコントロール
欧州のスーパーカーや高級車ブランドは、ジャーナリストに対する「選別」が非常に厳しいことで知られています。特にフェラーリに関するエピソードは有名です。
- 背景:米国の高名な自動車ジャーナリスト、クリス・ハリス(Chris Harris)氏が2011年、「フェラーリは試乗レポートで良い数字を出させるために、メディアに貸し出す広報車を特別にチューニング(改造)している。本物の市販車とは別物だ」と告発する記事を執筆しました。
- 措置:フェラーリはこれに激怒し、ハリス氏を「広報車の貸出ブラックリスト」に入れ、公式の試乗会から完全に締め出しました。
- その後:ハリス氏は、フェラーリをレビューするために「一般のオーナー(フェラーリコレクター)から個人の車両を借りてサーキットで全開走行させる」という力技で対抗しました。その圧倒的なドライビングテクニックとレビューの質がYouTubeで世界的な人気を博したため、数年後にフェラーリ側が折れてブラックリストを解除、公式に和解しましたとされています。
こんな記事を書いて身バレしちゃうと、フェラーリを買えなくなりますね…?
まとめ
このように、メーカーによる「干す」「出禁」という措置は、「自社のブランドや商業的利益を守りたいメーカー」と「読者・ユーザーのために真実を暴きたいジャーナリスト」の意地のぶつかり合いとして、自動車の歴史の中で絶えず繰り返されてきたものです。
現状大手自動車メディアにて寄稿されているものは、メーカーの圧力が掛かっているものがほとんどであり、リアルな批評が展開されていることは稀です。
絶賛記事が多かったり、難点に目を瞑ることも多いかしらね。
BYDなどは日本におけるポジティブな意見しか記事化させない等の圧力も有るようですので、絶賛・礼賛記事ばかりになっていたりもしますかね?BYDネガな記事化した人が締め出しを食らっているとかあったような。インフルエンサーに対しての訴訟とかも本国ではあったかしらね。
中国ではいわゆるネット水軍(網絡水軍、ワンルオ・シュイジュン)・中国発祥のネットスラングがあり、金銭報酬を得てインターネット上で組織的な世論操作、サクラ投稿、ステマ(ステルスマーケティング)、あるいは競合へのネガティブキャンペーン(誹謗中傷)を行うなども常態化しており、SNS投稿も信頼するのは難しいですね。
当ブログでは忖度無しで、良い点も悪い点も記事化しています。
当ブログへのメーカーからの圧力掛けられることも有ったりもしますが、屈してません(笑)
一番大事なのは、実際にご自身で展示車・試乗車に触れてみる事です。
試乗する事へのハードルを高いと思う方もいるかもしれませんが、乗ってみると分かることも多いハズ。
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