新型BMW iX3とメルセデス・ベンツGLC EV 比較レビュー
BMWとメルセデス・ベンツというドイツの2大ブランドが、それぞれ次世代EV SUVとして投入する新型iX3とGLC 4Matic with EQ Technology(要するにEVバージョン)。
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どちらもミディアムクラスのラグジュアリーSUVの主力となるモデルですが、デザインや性能、ブランド戦略に大きな違いがあります。
ここではそれぞれの特徴を比較し、どのようなユーザーに向くのかを整理してみます。
デザイン比較


| 比較項目 | BMW iX3 | メルセデス GLC EV |
|---|---|---|
| フロントグリル | キドニーグリルは巨大化を抑え、往年のノイエクラッセの思想を反映。ワイドでクリーンな仕上がり。 | グリルは大型化し、さらに発光する仕様を採用。BMWに続く「光るグリル」を取り入れ、非EVのGLCとの差別化を強調。 |
| ヘッドライト | 薄型で鋭い形状。精悍かつ未来感を演出。 | シャープさよりも存在感重視。光るグリルとの組み合わせで派手な印象。 |
| プロポーション | 全長4782mm、全幅1895mm、全高1635mm、ホイールベース2897mmのX3に準ずるサイズ。 | GLCサイズの枠内で展開され、GLCシリーズの一員として扱われる。 |


スペック・性能比較
どちらも400馬力オーバー、500馬力に迫るスペックで、航続距離は700~800㎞というロングレンジなハイエンドな仕様。
GLCはEVモーターなりに2段変速としているとのことで、高速巡行時の静けさで一つ上の
| 要素 | BMW iX3 | メルセデス GLC EV |
|---|---|---|
| バッテリー容量 | 108kWh | 94kWh |
| 航続距離 | WLTP 約679〜805km | 700㎞以上と想定されて委開発されている |
| 出力 | 最大345kW(約469馬力)、4WD仕様あり | 約480馬力程度を想定 |
| 発売時期 | 2025年IAAで公開、2025年秋以降に欧州、2026年夏にかけてアジア、米国で順次展開 | 2025年IAAで発表済み、発売時期は2026年初頭か |
内装と装備
BMW iX3は、ドライバーを中心とした新インテリアデザインを採用し、進化したACC制御などを導入。SDV:ソフトウェア定義車両としてアップデートが見込まれるのも特徴です。
ステアリングは専用の4本スポーク、パノラミックi-driveというフロントガラス下の液晶などが独創的です。

GLC EVは既存GLCの延長線上にある内装をベースにしながらも、EV専用のインターフェースを取り入れています。MBUXハイパースクリーンの進化系、ドライバー側から助手席前まで液晶を配し、パッセンジャー向けのコンテンツも用意する予定など上位車種に寄せて差別化、装備面でもEVらしいアレンジが施されます。

機能面ではGLC EVにはリアアクティブステアやエアサスが付いて取り回し性能や乗り心地で優位かもしれない。
BMWは自然な操舵感など操作する悦び系の設定を好むので、iX3のようなクラスではリアステアやエアサスは今後も用意されなそう。
快適なベンツ、スポーティなBMWという基本路線は変わらなそうです。
ブランド戦略の違い
BMWはノイエクラッセを通じて「未来志向と伝統の融合」を目指しています。グリルのサイズ感を抑えつつ、EVらしい先進性を盛り込み、従来のオーソドックスなデザインを好むBMWユーザーにとっては違和感の少ないデザインにまとめています。

メルセデスはEQブランドを廃止し、GLC EVとしてラインナップに統合。これによりEVを「特別なもの」ではなく「主力モデルの一形態」として位置づける方針を明確化しました。その一方で、外観では光る巨大グリルを採用し、ガソリンGLCとの差別化を図っています。

長所と短所
| 車種 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| BMW iX3 | ・航続距離が非常に長い ・デザインがバランス良く先進的 ・最新運転支援技術を搭載 | ・外観はBMWファンでも好みが別れる ・高価格帯になる見込み |
| メルセデス GLC EV | ・ブランド認知度の高いGLC名を使用 ・光る巨大グリルで強い存在感 ・ガソリンGLCユーザーが移行しやすい | ・航続距離や性能の具体性に不透明 ・ネーミング変更で混乱の可能性 ・派手さが好みを分ける |
まとめ
BMW iX3は、航続距離と先進性を求めるユーザーに適した完成度の高いEVです。スポーティなハンドリングでワインディングを楽しんだり、長距離ドライブを視野に入れる人にとっては有力な選択肢となるでしょう。
メルセデス・ベンツ GLC EVは、既存GLCのユーザーが違和感なくEVに移行できるモデルでありつつ、光る巨大グリルという新しい演出で存在感をアピールしています。実用性なども十分に確保し、ベンツのデカイロゴマークや派手なスタイルを好むユーザーにも魅力的に映るはずです。
最終的には、航続性能と未来感を重視するならiX3、ブランドの存在感と差別化を楽しみたいならGLC EVという選択になりそうです。
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