記録的豪雨に沈んだ約300台…車の新たなリスク:地下駐車場で冠水・線状降水帯への対策
2025年9月、三重県四日市市を襲った記録的な大雨は、多くの人々に衝撃を与えました。
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水没地下駐車場B1Fで160台(180台?)浸かる…さらにB2Fに100台以上… 自賠責保険「補償の対象外」(退陣補償メインなので当たり前・災害時は関係ない…)など、居た堪れない…
記録的短時間大雨情報と言うアラートもむなしく、日本全国で多くの方が記録的短時間豪雨で苦しむことになりました。

線状降水帯によって引き起こされたこの豪雨は、駅前の地下駐車場を水没させ、約300台(時価非額額1億円超か)もの車が被害に遭うという、想像を絶する事態を引き起こしました。
このニュースは、多くのカーオーナーや車好きにとって、他人事ではない「新たなリスク」を突きつけました。
地下駐車場の「安全神話」はもう通用しない
地下駐車場を「雨風をしのげる安全な場所」だと考えていた人もいらっしゃったでしょうか。
雨の時、車から降りて濡れずに駅やショッピングモールに移動できる便利な場所のように捉えていた方もいますよね。
しかし、今回の災害は、その常識がもはや通用しないことを痛感させました。
地下空間は、一度水が流れ込み始めると、逃げ場がなくなるという致命的な弱点があります。わずか数時間の豪雨で、愛車が水没し、鉄くずと化してしまう。それは、単なるモノの損失ではなく、思い出や日常を失うことでもあります。
被害に遭われた方々の「まさか自分の車が」という、こうした災害に巻き込まれるとは夢にも思っていなかったでしょう。
この悲劇を教訓に、私たちは、これまでの「安全神話」を捨て、より一層の警戒心を持つ必要があります。
地下だけじゃない!マンションの機械式駐車場にも潜むリスク
今回の被害は地下駐車場で起こりましたが、マンションなどに多い機械式立体駐車場(パレットタイプ)も、決して安全ではありません。
むしろ、都市部でのゲリラ豪雨や集中豪雨時には、新たなリスクとなり得ます。
地上に設置された機械式駐車場でも、保管車両が地下になっていることもあります。

冠水がパレットの高さまで達すれば、車はまるごと水に浸かってしまいます。
さらに深刻なのは、浸水によって機械の制御部分が故障し、パレットが動かなくなることです。
そうなれば、車を避難させることも、救出することもできなくなってしまいます。
機械式駐車場を利用している方も、大雨の予報が出た際は、より安全な場所への移動を検討するなどの対策が必要です。

ちなみの、機械式立体流射場でも排水対策はされているのが当たり前なのですが、その排水ポンプ・排水口などが落ち葉などで詰まっていると、完遂リスクが大きく高まることになるので、定期的なメンテナンスが重要になってきます。今回のような記録的短時間大雨などの後には、汚泥が流されていたりもあるので、排水周りの点検はしておいた方がベターですね。
災害時の車両保険、どこまで補償される?
水害で車が被害に遭った場合、真っ先に気になるのは車両保険が適用されるかどうかです。一般的な車両保険の契約であれば、台風、洪水、高潮などの水災による損害は補償の対象となります。
ただし、注意すべき点がいくつかあります。
- 契約内容の確認: 「エコノミー(限定補償)」タイプの保険では、対車両事故のみが対象で、水災が補償対象外となっている場合があります。
- 免責金額と保険料: 補償を受ける際、免責金額(自己負担額)が設定されていることが多く、また保険を使用することで、翌年の保険料が上がってしまう可能性もあります。
いざという時に困らないよう、ご自身の契約内容を改めて確認しておくことが非常に重要です。
施設の責任、そして国や自治体からの補填は?
今回の被害を受けて、地下駐車場の施設管理者の責任や、国や自治体からの補償についても話題になることも多いでしょうか。
しかし、今回の記録的な豪雨は「予測不能な天災」と見なされる可能性が高く、施設の管理者に過失を問うのは難しいでしょう。また、国や自治体からの補償は原則としてありません。災害時の補償は、自己の加入している保険でまかなうのが基本です。
この問題は、インフラ整備の課題も浮き彫りにしました。都市の地下化が進む中で、豪雨災害に耐えうる排水設備のキャパシティは十分なのか。
国や自治体には、今回のような事態を二度と起こさないための、抜本的な対策が求められています。
「線状降水帯」という新たな脅威
今回の豪雨の原因となった「線状降水帯」は、近年、その発生頻度が増加傾向にあります。
これは、地球温暖化による海面水温の上昇が影響していると考えられており、今後も同様の災害が起こる可能性が高まっています。
線状降水帯は、短時間で大量の雨を降らせるため、従来の気象予報だけでは十分な対策が取りにくいという課題があります。
この新たな脅威に対し、常に警戒し、迅速に行動できるよう備える必要があります。
- 最新の気象情報をこまめにチェック
- ハザードマップで危険箇所を確認
- 危険を感じたら、早めに避難(車も高台へ…)
車の避難など、停める場所の問題もあるし、駐車違反になって反則金を払うのもなんだかなぁ~って思う所もあるでしょう。
高台の道路に路駐、駐禁切られた方がマシ、と言うパターンもあれば、迷惑駐車となるのでNGだったり、海抜高いコインパーキングに数日駐車・放置することになっても、高い駐車場代や違約金(数日に渡る放置NGのコインパーキングもある)の方が水没・冠水車になるよりマシ、など色んなケースが想像できます。
アキッパとかで探すのもいいかも。
それぞれの置かれた状況や立地・地形などの問題点と合わせて最適解はそれぞれ違うのですが、取り得る対策を考えておくのは大事です。
冠水車の「価値」と中古車市場の闇
最後に、今回の災害で発生した冠水車(水没車)について、その「価値」と中古車市場での取り扱いについて触れておきます。
冠水車は、たとえ見た目が綺麗に修理されていたとしても、電気系統やエンジン内部に水や泥など目に見えない深刻なダメージを抱えている可能性が高く、いつ不具合が起こるかわかりません。
そのため、市場価値は限りなくゼロに近いとされています。
しかし、残念ながら、一部の悪質な業者によって、冠水車が「修復歴なし」として中古車市場に流通してしまうケースがあります。
中古車を購入する際は、信頼できる販売店を選ぶことはもちろん、車両状態証明書や修復歴の有無を必ず確認することが大切です。
冠水車の見極め方
中古車市場に紛れ込んだ冠水車を見極めるには、いくつかのチェックポイントがあります。プロでなくても気づけるポイントをまとめました。
- 異臭: 窓を閉めた車内に、カビや泥のような独特な臭いが残っていないか確認しましょう。特にエアコンをつけた際に、異臭がする場合は要注意です。
- 不自然な汚れやシミ: フロアマットの下や、シートの隙間、トランクルームの隅など、通常では掃除が行き届きにくい場所に、泥の跡や不自然なシミがないか確認します。シートを外して高圧洗浄をする業者も多いですが、冠水車の場合は落としきれない汚れが残っている可能性が高いので、チェックしましょう。
- シートベルトのチェック: シートベルトを完全に引き出して、水の浸入した跡や、汚れ、変色がないか確認しましょう。
- 金属部のサビ: シートレール、ペダル類のブラケット、ボルトなど、通常では水に触れることのない金属部分に、不自然なサビや腐食がないか確認します。
- 不自然な価格: 同車種・同年式の中古車と比較して、価格が極端に安い場合は、冠水車を含めて修復歴やトラブルなど何らかの理由があると考えて間違いありません。
- 認定中古車という選択肢も:ディーラーやメーカーの保証が付いているような車両では、冠水車を扱っていることはないはずです。価格的に高い傾向にある認定中古車であれば安心感が高いと思われます。
まとめ
今回の災害は、私たち一人ひとりの防災意識を高めるための警鐘です。
昨今は猛暑日が続いたり、にわか雨が記録的短時間大雨警報に繋がるほどのゲリラ豪雨となったりで、短時間で冠水するリスクが高まっていると言えます。
愛車は単なる乗り物ではなく、大切な家族の一員。
この教訓を胸に、災害への備えを今一度見直すことが、自分や大切な人を守るための第一歩です。
雨・雷雨予報の時、台風や気圧の変化が激しく降雨量が多いと見込まれている時などは駐車場所なども含めて対策をして行きましょう。
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