S1000RR試乗インプレ①安くて(?)早いその歴史に迫る

BMWは値付けを間違えた?と思った2010年

S1000RR(ダブルアール:もしくはアールアール)の市販開始は2010年でした。


※当サイト内アフィリエイト広告等が表示されます


日本向けのスターティングプライスは標準グレードで169万円、プレミアムラインで199万円だったと記憶しています。SBK直系で早いモデルなのに安かったんですよね。

その当時でもR1200シリーズは200万円前後からのスターティングプライスが多い中で、上級グレードが200万切り、SBKに新規参入やら新開発やらで気合入っていたのを反映して、特に日本製スーパーバイクへの対抗心もあってか大分戦略的に値付けして日本導入になったものです。

今回試乗したのは2021年モデルであり、S1000乗りの間では4世代目といわれたり、2代目と言われたり…その歴史にも触れつつインプレッションをブログで解説していきたいと思います。

リアルな初代は2010年

初代は間違いなく2010年に市販されたもの、それは間違いない。

では、世代の考え方・年式や年次改良がどうなのかってのが論点になるでしょう。

基本的にはスーパーバイク系のレーサーなバイクはモデルチェンジの周期が早い傾向にあって、フレームが変わってなくても装備の刷新や馬力の大幅なスペックアップが毎年のように行われることがあります。

大規模なマイナーチェンジのようなもので、空力性能のために外観にも大きな変更が入ることも良くあります。

そういったマイチェンをカウントすると、2010年の初期、2012年のマイチェン、2015年のマイチェン、2019年の全面改良のフルモデルチェンジとなっていて、年式と世代の区切りとしては4世代の進化・変化ともいえるし、全面的な変更をモデルチェンジと捉えるなら2代目になったのは2019年ともいえます。

要するに今回試乗してきたのは2019年にモデルチェンジした2代目であり、4世代目(笑)みたいなモデルであり、そのスペックのアップデートは触れねばならない歴史のようなものです。

初代は156馬力

2010年の初代は156馬力のモデルがデフォルト。これは日本向けにディチューンされたものだったと言われており、フルパワー使用では193馬力でした。ただし、フルパワーはロムチューンやリミッターカットのようなもので、サーキット専用モードの保証対象外扱いだった感じです。

デザインの見所としては、当時のGSシリーズやF800Rなどのモデルのようなヘッドライトの左右異形:アシンメトリーであり、カウルのフェアリングも左右非対称など特徴を持たせてきていました。

アシンメトリーなヘッドライトは個性を演出するためで機能的に意味がない、とか開発秘話であって、シンメトリー(左右対称)にしてコンパクトなデザインのユニットにすれば2~3kgの軽量化は可能だとかって話でした。ポテンシャルアップの余地を残すために敢えて、とか、初出しのスーパースポーツゆえに覚えてもらうアクセントにしたかったなどあるようです。光量や照射範囲など、ツーリング適正も確保するためとも言われていたような気もしますが、さほど明るくない印象でした。ヘッドライト交換しているカスタムも多いような気がします。

日本仕様はアクラポビッチ製リアサイレンサーを標準装備していた時期もあり、正直なところ年次による日本仕様の正確な装備などは把握が難しかったりしたような感じですね。中古だとアクラ管着いているからって改造車ってわけではないので早合点しないようにしましょう。

2012年からの2世代目

変更点は空力メインであって、変更点は多くはないのですが、スーパースポーツだからこまめにモデルチェンジしている、みたいなアピールもあってのマイナーチェンジ。

馬力に変更はなかった世代で、初期型を持っている人も特に羨ましくは思わない小変更。

分かりやすいところだとリアシート周りのダクトなどの空力的な変更とか。電子制御関係もアップデートされていたりします。

2015年は199馬力

2015年では外装が大幅に変更、トルク向上と軽量化、そして最高出力は日本仕様でも199psにアップされて、とんでもないスペックとなりました。

外観ではヘッドライトの左右非対称という点は変わりないのですが、前までは向かって左が丸で右がツリ目だったのが、新型では向かって左が大きく上に伸びて右は異形だけど左より小さめ、とパッと見で良く分かる変更となっています。

カウルの形状が寝ていてライダーもかなり姿勢を伏して乗るように強いられるスタイルになったかも。

馬力に関しては199馬力であり、218万円~となっていて、値上がりしているものの、ポテンシャルはハンパ無いレベルです。国産でも200万円前後で200馬力前後(2015年ごろだと逆輸入車に限る)なので、わざわざドイツから輸入している割に、やはり高くないんですよね。カテゴリーをあわせてきたから価格面でもけっこう選ばれるための努力をしているように思います。

2019年には207馬力に

2代目へのモデルチェンジでヘッドライトがシャープにシンメトリーに。

きっとこれのおかげで数キロの軽量化になったことでしょう(笑)

200kgで200馬力超えというとんでもないレベルのモンスターバイクに。

価格は231万円~ となっていて、上位グレードが272万円~ 

数字的なアイコニックな部分を羅列すると、300万円で300キロまで加速する200馬力の200KG以下のスーパーバイクってところです。

正直なところ、スーパースポーツやメガツアラー的なバイクの動力性能は150~200馬力程度となるとほぼ上限に達した感じで、実用上これ以上は必要ないんですよね。

電子デバイスで安全性を担保した速さ、多くの人でも扱い易いと思える乗りやすさの追求というのが始まっているように思います。

ドゥカティだってホンダだって200馬力オーバーは当たり前、フル加速して戦うだけでなく、乗って楽しい味付けや、所有するだけで満たされるような特別なオーラがあるか、みたいなのもポイントかもしれません。

速さに対するコストパフォーマンス

単純に速いバイクとしても魅力的ではあるものの、先進の電子制御も備えていて、扱いやすさやハイパワーを持て余さないマナーも備えているのが最新のS1000RRの美点でしょうか。

スピードに対して、そしてABSやトラクションコントロールなど安全装備の充実を考えると、コストパフォーマンスが良いバイクといえそうです。

サーキットを走る人、そういった走行シーンにあこがれる人、高速コーナーでのバイクの傾きに酔いしれる人、多くの人にとってきっと魅力的なバイクです。

歴史的には10年チョイ、BMWが本気で1000ccの直列4気筒に手を出したらなぜか速くて安いバイクになったというナゾの化学反応のようなもの、ぜひテストライドしてみましょう!

試乗インプレ②へと続きます。

過去のS1000R(アール一個)、いわゆるロードスター・ストリートファイターモデルの試乗インプレもよければ見ていただければと思います。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です