F900XR試乗インプレ・BMW製のモンスター?それでいて高コスパツアラー!

新世代に切り替わり、900ccなったBMWのFシリーズ、F900XRに試乗してきたのでインプレッションとしてブログにしていきます。


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Fシリーズのアドベンチャーツアラー

F900XRグレード構成

ココ最近の排気量のくくりとしては、900ccクラスだとミドルクラス的にクラス分けされることもありますが、十分に大排気量であり、105馬力もあり、スペックとしては申し分ないです。最高速は200㎞/h以上が公称、おおむね最高速度は216~220㎞/h程度は出るらしいです。

F900XRはXRと名の付くクロスオーバーツアラーでありますが、前後17インチの足回りの通りオンロードメインでサスストロークを少し長めにとったよく動く足を組み合わせたクロスオーバーモデル。

F900XRプレミアムライン

17インチの足回りも。フロントが120幅、リアが180幅と、一般的なスポーツモデル的なサイズのオンロードタイヤを組み合わせています。

180㎜タイヤとアグレッシブなデザインのマフラー

ハイエンドのモデルから順次標準化が進んでいる電子制御のトラクションコントロールやアクティブサスペンション、ライディングモードコントロールなどを備えて約141万円、国産のツーリングバイク比べても特段高い価格設定ではなく、フル装備と言う面ではむしろ安いとも言えそうです。

旧モデルとなるF800シリーズではトラクションコントロールがオプション扱いでアクティブサスはそもそも設定なく、今回の900モデルラインではトラコン・アクティブサスがオプション、ただし、グレード毎にトラコン標準・アクティブサス標準などの相違点アリ。

前述のようにプレミアムラインでトラコンとアクティブサス付きで150万円程度という事もあり、売れ筋はほぼほプレミアムラインになっているらしい。

ちなみにつるしのベースグレードで114万円~で、グリップヒーターのみでトラコンもなし、走りをピュアに楽しむモデルとしてのチョイスもアリかもしれません。後述しますが、ある意味ドゥカティモンスターっぽい?かもしれません。

スタンダードグレード:約138万円~ではトラコンやギヤアシストなどの装備が付くのが特徴と言うよりも、足付き優先のローシートのローダウン仕様と言うのがポイントです。シート高は775㎜程度に低められ、足つきはだいぶ良くなる半面、足の長い人には膝回りが窮屈に感じる可能性もありそう。小柄な方や、足つきに不安の残るビギナーの方にはアクティブサスよりもローダウン仕様の方がありがたいかもしれません。

プレミアムラインのシート高は825㎜

シート高に関しては、プレミアムライン825㎜

その他の基本的なメカニズムとしては、フロントは倒立フォークであり、ラジアルマウントのブレンボのフロントダブルディスクであったりと、現代的な必要なアイコンたる装備に不足はありません。

メーターもフル液晶でLEDライトなど、最新のバイクに不足のない仕上がりと言えます。

F900XRのエンジンはまるでモンスター

排気量に由来するパワー意外のスペックははほぼほぼフラッグシップに準ずるものとなっていて、モデルのタイプ、味付けやフェアリングやデザイン・オプションなどで選ぶ時代になったのをBMWモトラッドのラインナップを見て思います。

機能的な見劣り感がモトラッドのラインナップの中で無くなるのを感じますね。

XRのデザインとしては口ばし型のフロント周りに大きめの可動式スクリーン、そしてアグレッシブなマフラーデザインにフェンダーレス風のリアナンバーステーなど、現代的なデザインテイストをふんだんに入れ込んできています。

900ccになったパラツインは、スペック的には旧世代の空冷フラットツインを置き去りにする105馬力を誇り、ハッキリ言って速いバイクに仕上がっているのを感じます。最高速だってしっかり200キロオーバーの世界に連れて行ってくれます。

BMWのFシリーズは大排気量のRシリーズやKシリーズとは違った方向付け、キャラ付がなされ、ミドルサイズスポーツツーリングみたいな感じでしたが、今回の900cc化でけっこう馬力を絞り出してスポーツ寄りにしてきたなってのが正直な感想。

もはやエンジンの味付けの目指す方向はドゥカティとかなのかな?と言うようなテイストで、エンジンが俊敏な反応を見せてレッドゾーンまで駆け上がるような印象でした。

エンジンを回せば気持ちよくなるタイプで、ドゥカティ的にもっと回せと急かされるほどではないけれども、スポーティでレーシーなテイストになっていると思います。

BMW的には扱いやすさにももちろん配慮がしてあり、低回転域でグズったりもしません。ただ、旧型の800㏄世代の方が下での粘りのような物があったようにも感じるのは、ピークパワーや高回転域のフィーリングとのトレードオフなのかな。

街乗りやツーリングもこなしつつ、パワー・スピード・加速感に陶酔できるようなポテンシャルを秘めており、なんだかデキの良いドゥカティモンスターっぽくもあります。

ライディングモードの味付け

試乗したのはプレミアムラインで、アクティブサスやライディングモードセレクトなどが備わり、完成度の高さを感じさせるモノでした。

どのモードをセレクトセットしても、乗り心地に関しては抜群に良く、その中でもスポーツモードの時が一番締まった乗り味を見せるというのが解り易く表現されています。

アクセルの感度に関しても、レインやロードに対して、ダイナミック(スポーツモード)だけはオニのレスポンスを見せ、コーナーの立ち上がりでリアタイヤに力を素早く伝わらせて加速態勢に入るぞ!と言うのが感じやすい。

メニューボタン、ジョグダイアル、サスの設定ボタン

逆に長く緩いRのカーブなどでは、アクセルの反応がやや敏感で、パーシャルを維持するのにナーバスになることもあるかな?とも思いました。

ダイナミックモードに限ってですが、アイドリングくらいでハンドルの振動が伝わってきやすくなる傾向にあるようにも思いました。ライディングモードの変更で緩和冴えるので、サスを締め上げ剛性が上がった時だけ伝わりやすいのかもしれません。

バーウェイトを重めにするとか、慣らし運転が終わればこの類の振動は取れる可能性もありますが、気になる方はハンドルの振動で手が痺れるか試乗してお確かめください。

モード切替のスイッチなど

BMW的なロングツーリング快適マシンとしては、ロングツーリングの時にはスポーツモードはあまり使わない方がベターで、レインやロードモードをセレクトしてサスだけダイナミックモードに切り替えて峠なりなんなりを楽しむと良いのかな?と使う時のイメージが湧いてきます。

裏技的なモードとしては、サスのセッティングなどでリアのサスを伸ばすことが出来て、シート高・重心的にリアをややカチ上げ(車高アップと言っても数センチ)することで、旋回性をよりクイックにすることも出来るようです。足つきが犠牲になるなどあるので注意が必要ですが、走りを楽しむ人にとっては面白いモード切替ともなりそうですね。

ギアアシストはクラッチ無しで変速出来るとありますが、やはり操作感がやや硬く、そして3速くらいまではシフトショックも大きめに伝えるので使い勝手はイマイチ。街乗りで使えるレベルではないので、ある種そんな機能はない物と思ってクラッチ握ってギアチェンジしましょう。

握らなくてもギアチェン出来なくもない、ってだけで握った方が安心安全安定です。

軽快感よりも安定感

ドゥカティモンスターっぽい部分も散見され、おそらくMT09などもライバルと想定して開発されたのだろうな~と言うのを感じる部分も結構ありますが、やはり、BMW的な安定感は備わります。

ドゥカティは最新世代のVツイン約950㏄のモンスターだと、111馬力で188㎏程度と超軽量に仕上げてあったりします。モンスターの価格はフェアリング無しで150万円程度で最新の電子制御もそこそこついています。

新型モンスターは水冷Vツイン937㏄でアルミフレーム

F900XRは105馬力で223㎏、フェアリングも備わるので一概に比較は出来ませんが、やや重めに見えます。

やはり、ドゥカティはキャラの立ち位置として解り易く暴れ馬的にしてあり、軽くてパワフルというイメージを前面に出しており、そういった個性の面でアピールが強め。

BMWももちろんパワフルであり、ライディングモードの切り替えでちょっとピーキーなキャラを演じることも出来ます。

ですがXRというクロスオーバーAdventureというキャラもあり、ツーリング適正が高めなイメージ、そして性能の高さと言うのがあります。

ハンドルマウントのナビはTFT液晶メーターとも連動可能となっています

試乗車は純正のナビが装着されており、ガーミンOEMのナビゲーターⅤだったかと思いますが、ハンドル脇のジョグダイヤルで操作できるなどあります。

アクセサリーパーツもパニアケースやナビゲーションのオプションを充実させるなど、ツーリング適正を伸ばす装備品が多いのもBMWの特徴でしょうか。

ただ、車体価格の割にパニアケースなどのアクセサリーパーツやオプション価格はかなり高めに設定されており、DIYでトップケースだけ付けようかな…と思う事もあるかもしれません(笑) パニアケースで約15万、トップケースで約12万、トリプルパニアBOXにすると27万円くらいかかるとか、BMWプライスだなって。

スクリーンは標準で手動調整式です。

高めにセットするとかなり風を防ぐ効果は高いです。

もっと安楽に高速道路を長時間走れるように~とかだと社外のもっと大きなスクリーンに交換しても良いかもしれませんが、基本的には純正でも風防効果はある方だとは思います。

ツーリングバイクの最適解かもしれない

純正アクセサリーパーツやオプションの価格の高さは気になるものの、基本的なスペックが高く、安いグレードでは装備をシンプルに114万円~となると、ツーリングバイクとしての適性の高さとしては実はとんでもないポテンシャルを秘めています。

値引きはグレード・在庫などによって5~10万円程度可能な時もあるようです。

国産のツアラーを検討していたら100万円を超えるプライスと言うのもザラですので、メリットデメリット踏まえて比較検討が可能になりそう。

CB400でも100万超えだったりしますのでね…

150万円までで、電子デバイステンコ盛りの最新BMWのに乗れるというのも、良いチョイスともなり得そうです。

過去のブログなども参考のなれば幸いです。

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