マセラティレヴァンテ試乗・4年前と今を乗り比べてみると

新車当時(2017)のマセラティレヴァンテ

まず、レヴァンテSに乗ったのは4年前の2017年初春。


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日本に入ってきてすぐのモデル、左ハンドルのみの3リッターV6ターボ、430馬力のもの。

Levante – The Maserati of SUVs

そして、2021年にも乗せて頂きました。同じ車体です。

故障頻発と言われたマセラティ、4年でどの程度劣化したのかを少しブログにまとめていきたいと思います。

まず、4年前の試乗した印象からいくと、ソツのない完成度のハイパワーSUVだとは思いました。

そして外観はCX8やCX5に似た、切れ長のヘッドライトにグリルがグワッてのもけっこう似てます。もはやどっちが先に寄せて行ったのか分からないくらい、それぞれのブランドのデザインの延長上にあったりします。

マセラティレヴァンテ(Levante – The Maserati of SUVs)ボディーサイズは 全長×全幅×全高=5000×1985×1680mm と正直なところデカイ。グレードにより20㎜前後違いますが、誤差の範囲、5m×2mのサイズ感は、X5やGLE、ポルシェカイエンと近いサイズ感です。

巨体な割に、3列シート・7人乗り仕様はラインナップにはありません。そして、導入初期から日本市場向けにあまり力を入れていないからか、左ハンドルのまま正規輸入されることも多いのが特徴です。

馬力は350馬力が通常グレード、Sが430馬力となっていて、新車当時の差額はおおよそ200万円ちょい。オプションでちょいちょい運転支援系や快適装備系を足すと100~200万上乗せになるので、新車当時の価格差なんてのは中々に図るのは難しいかもしれません。

外で聞くと大排気量V8か、と思わせる野太い音とガロロロッ~とやや響くような籠るようなスタートダッシュに、排気音のチューニングだけでマセラティっぽい、と言うかフェラーリっぽい演出が出来るものなんだな、と感心したものです。

ややわざとらしいエグゾーストノートによる演出ですが、室内にいる分には遠くで音がするくらい、の感じで車内はまあまあ静かでした。

シートもボリュームがあり体格の良い人も受け止め、そしてパワフルに豪快な排気音を放ちつつ、走り出します。

オートマはBMWなどと同等のZF製の8速ATだし、操作系もそこまで変なギミックも仕込まれていなかったりします。信頼性が低い電子制御はあまりなく、しいて怪しいとしたらエアサスペンションでしょうか。

パッケージングの難点を上げるとするならば、リアシートの居住性でしょう。

こんだけ大きな車体なのに、リアシートは広いとは言えないし、荷室も広いとは言いにくいです。リアが傾斜してクーペライクなルーフラインの影響でしょう。

フロントシートのボリュームによる圧迫感、リアシート自体も厚みがあるけど空間的には広さを確保されていなくて、普通と言う感じ。カイエン・カイエンクーペやX5・X6よりも劣るし、パッケージングとしては微妙だと思います。

乗り心地もさほど良いわけではなく、外観の洗練具合に対して、メルセデスベンツやBMWなどのドイツ製のSUVに乗り心地でも劣る印象でした。

得意な走行ステージは高速道路くらいのもので、あまり速度を上げ過ぎると快適性が悪化したようにも思います。余力を残しつつ、ゆったりクルージングが良いでしょう。ある種アメ車的とも言えそうです。

エアサスが標準ですが、あくまで車高調整機構としての装備で、あまりオールマイティに全てをハイレベルで、と言うわけではない。

ただ、この車は実用性を重視するのではなく、マセラティのマークを付けたSUVが欲しい人向けの物で、人や荷物が乗ることは二の次と言うのが当初のコンセプトとしてあって、優先するのは走りのイメージです。

そう、あくまでマセラッティっぽい ”イメージ” であって、見た目も大事で、V6でもそれっぽい排気音を鳴らすことが大事なのです。

走りのイメージも当初はV6でマセラティを名乗るのか、と言った意見もあったようですが、V8(590馬力)は2019年に追加設定され、トロフェオを名乗り、イメージリーダーはそちらに譲る流れだったようです。

フェラーリの後光を借りつつ(実際はマセラッティの独自開発らしいけど)、そしてカイエンターボとX5M・X6Mを倒すという命題のためにもハイパワーバトルへの参戦は必定だったのでしょう。

ディーゼルもラインナップにありますが、正直この澄ました顔にディーゼルは似合わない。ガソリン一択と言っていいでしょう。

ただ、大排気量ターボで重量級ボディという事もあり、燃費は戦車レベル、またはアメ車レベルで街乗り燃費は3~4㎞/L程度、ハイオクガソリンゆえに維持費もかなりかかります。

4年経ったレヴァンテの故障は・・?

中古でもしレヴァンテを探すなら・・と少しでも参考になればと思いますが・・・

まず、イタリア車やフランス車は、内装の劣化が早い、という説があります。

シャッター付きのガレージ保管であれば、走行距離も3万キロ弱として、紫外線によるダメージが無ければ、ダッシュボードがべとつくようなことも無いし、レザーで覆われた部分もあまり色褪せたりはしていないと思われます。

オーナーとしては、ダッシュボード上部の赤いレザーにやや色褪せが見られるとは感じるようですが、傍から見る限りでは気になるレベルでもなく、運転席のレザーシートに一般的な数年経過程度の若干のしわが見られるくらいでそこまで傷んだ印象もない。

このレベルの車(1000万オーバー)を購入できる方は、自営業者、経営者であったりとそれなりのステータスがある人。

自宅で、というか月極め借りて青空という事も少ないと思われます。

逆に、青空駐車で走行距離も伸びていて・・・となると、イタフラ車独特な経年劣化が見た目でわかるレベルで浮かび上がってくるかもしれません。

意外にも?大きなトラブルや故障は無く4年程持った、というケースですが、保管状況が良かったというのも一因かもしれません。

走りに関しては、特にガタが来る部分なさそうではありますが・・・排気音が大きめになっている、かもしれません。

激しい排気音に磨きがかかる、と言うか、マフラー内の消音剤が少し劣化したのか、結構な爆音になっているかも?

後は車内に届く排気音も少し増していて、ドア周りやリアハッチ周りのシール材・ゴム材などが劣化して音の侵入が増している、と言うような事もあるのかもしれません。気密性が下がり、音が聞こえやすくなっている可能性もありますね。

フロントからのメカニカルノイズなども聞こえやすくなっているとも思われ、経年での変化が音の発生源に故障や問題があるのか、音の侵入が増えたのか、判断が難しいところもあります。

排気音量の増大、気密性の低下、両方あってのエグゾーストノートの感じ方の変化かもしれないので、これも、新車・中古車で聞き比べをすると良いかもしれませんね。

レヴァンテの日本仕様では全車標準のエアサスも機能としては年数経っても低下は無いそうなんですが、修理となると三ケタの高額な修理費がかかることもあり、5年目以降の維持に一抹の不安もあるそうな。

もし中古車を検討する時は、数台を見比べてみて、色・手触りなどをチェックですね。

2021年時点 中古では4~5年落ちの日本導入初期のモデルで500万円台~となっており、2~3年落ちで800万円~となっております。

新車価格が1000万円~ でグレードやオプションによって新車当時価格1500万円近い、という事もあります。マセラッティの認定中古車・又は輸入車専門店であれば、新車当時のオプションについても詳しく載っていることも多く、新車当時価格を参照しやすいかもしれません。

タイヤの減り、ブレーキ周りの頻繁なメンテナンスなど、ガソリン代以外にも高額なメンテナンスコスト、プラス故障に備えての積み立てまど、維持には車両代以外にもかなり余裕が必要となりそうですので、そちらにもご留意を。

マセラッティの多くは左ハンドルの仕様が多いという点も注意しておきましょう。日本で普通に乗るにはサイズが巨体なのと合わせて左ハンドルが不便なケースもあります。

どの程度の装備が付いていて、どのくらい値段が下がっていて、コンディションを踏まえてお得感があるのか、しっかりと比較して検討されるのが良いかと思います。

中古車でもかなり高額で、そしてイタリア車と言うかなりリスキーな選択肢でもあります。購入は慎重に。

同じ予算間であれば、新車でも中古でもかなり個性のある車をチョイスすることも出来るので、マセラティへの強いこだわりや憧れが無ければ、他も検討した方が良いかもしれません。

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